2014年4月30日水曜日

大将の“こだわり”


4月がおわります。
それと同時に、
私がお世話になってきたお豆腐屋さんのひとつ、
磯子の大港食品さんが、お店をたたむことになりました。





横浜の技能祭り、
クリスマスのおトーフBOX、
鍋会、

出会ってから、実は半年ほどなんですが、

私の豆活に、常に関わりをもってくれたお豆腐屋さんのひとりが、大将こと、ご主人の大港正俊さんです。





大将のお豆腐が

明日から食べれなくなると思うと...


っていう想像すらできなくて
まだまだ、実感というものがやってきません。

講座のたびに、食べてきたお豆腐だから。


当たり前のように、食べてきたお豆腐だから。




いつだって、茶目っ気たっぷりのラベルを貼って届けてくれるお豆腐。





今でも、"豆腐屋さん"という言葉を発する時

必ず、大将の顔が浮かびます。

これからもきっと、そうだと思います。


多くの方に、愛され、影響を与え続けている方です。





最終日を控えた29日。
日々の業務に追われていた大将が
なかなかできなかったけど、
どうしてもやってみたかった、

そんなお豆腐教室に行って来ました。




"俺にはこだわりなんて無いんだ"


と、いつも言っていた大将が、

教えてくれた、たったひとつのこだわり。


“自分の手で作ったものは、
自分の手で売る。”


ラッパを拭きながら、
お客さんを訪ね回った大将。



その積み重ねが、
人と人との繋がりになり、
地域の繋がりになっていくことを、
私も学ぶきっかけとなりました。






自分を貫くことはとても勇気がいることです。

辞めることに、たくさんの声があったと思います。

自分を貫くための決断ができるって
かっこいいし、
自分自身も、そんな人を応援する人間でありたいと思います。



そして、大将に、

「おかえり」

が言えるような取り組みを、

今後もやっていきたいと思います。









豆ちゃん、水くせぇぞ!


と、怒られる前にやめときます。笑



ありが豆、大将!


大好きなのは変わりありません。




さて、元気に5月を迎えたいと思います!


2014年4月28日月曜日

第二の誕生日

豆腐マイスターという資格を取って、ちょうど一年。

4月21日は第二の誕生日のようなものだ。

偶然にも

誕生日のお祝いかのようにいただいたのは、雑誌のお豆腐特集のお仕事だった。


この資格を取ってから、
私はますます泣き虫になった。

沢山の人に出会い、励まされ、チャンスをいただき流した涙も、
期待に応えられない恐怖や、失敗の悔しさで流した涙も、

一粒残らず無駄では無かったと思っています。

私の人生がここまで変わったのだとしたら、
この資格を取ってもらうことで、誰かの人生を、少なくとも日常を、変えることができるのかもしれない。

そんな気持ちで、
4月から、豆腐マイスターの運営に正式に関らせていただいています。

初めての経験ばかりです。
何もかもが手探りです。
嫌われる勇気が持てない自分もいます。
自信を持って取り組めることなんて
まだひとつもないのです。

まさにこれが、"下積み"だと思っています。

抜け出せるのはいつになることやら、と思うたびに、

"自分を認めてくれる人がいないことを気にかけないで、認められるだけのことをしようとつとめることだ"

という言葉を思い出し自分を奮い立たせる毎日です。

磯貝さん、

私を育て、守り、喜びを共有し、なにより信じてくださり、

本当に、ありが豆ございます。

業界関係者の方々、
私を迎え入れてくださり本当にありが豆ございます。

豆腐マイスターとして、
そして、豆腐を主食とする偏愛な人間として、
あぁ、こいつみたいな生き方もありなんだ...っていう道を開拓していきたいと思います。

写真は新横浜の八かく庵さんにて。
お豆腐お代わり5回ほどしました。
あぁ満腹。








ブログもマイペースにやっていきます。

2014年4月12日土曜日

豆腐屋にはならない


4月も10日過ぎ。

今の所の私は、大きな組織に踏み入って、
その中で何かをしていこう、と企んでいるわけでもなく。

この業界を変えてやる、なんて思っているわけでもなく。

自分の大好物を取り巻く世界を見渡したい、という好奇心しかなく
1年休学したところで私に何ができるのかさえ、
ちゃんとわかっちゃいない。笑

結果、何かが変えられたとしたら、それは万々歳だけど、
はなから目的にしてはいけないものだと思っている。

ただ、この世界で行われていることは何なのか、
ここでできることと、できないことは何なのか。

中心にいる人たちが、
やろうとしていないこと、
でもやったらいいのになぁとか、
こういうことこそ議論して欲しいなぁとか、
素人の、消費者の、目線で見えているから、つい思ってしまうことなどなど、

自分の中に落とし込む、
とても良いチャンスだと思っている。


私は主食が
豆腐という過度な消費者でありつづけ、
ここで力になれることは精一杯やってみる。
それは社会に出て、はたらく、を学ぶためでもある。

2014年4月3日木曜日

20年後も美味しいお酒を一緒に呑みたい。



3月30日、池袋のお豆腐屋さんの創業祭を手伝いにいきました。
そのあとの打ち上げで、お豆腐に関わる方々とお酒を呑みながら語らう機会がありました。

お酒の勢いもあったので、私はつい、聞いてしまいました。



"お豆腐屋さんって、なくなっちゃうんですか・・・・?”


午前3時。
真夜中にこうしてブログを書くに至ったのも、
不安が頭から離れず起き上がってしまうからです。

こんなシェアの仕方で良いのかわかりませんが、
食べ物の生産に関わる立場からの「声」を広めるべく、
豆腐の機械&資材屋さんのFaceBookヘの投稿を引用させてもらいます


普段お豆腐を召し上がって下さる皆様へ(ちょっと長いです)

4月に入り関東では桜も満開、心機一転あらたなスタートをきった方も多いことでしょう。
そんな春うららな心弾む陽気ですが、一方で消費税はあがりプライスカードの金額が普段と変わっているのは気になりますね。
お買い物を考え過ぎて楽しむことのできないのは悲しいように思います。

お豆腐の値段を見てみると… あれ?昨年の値段と結構違うなーと感じる方も多いのではないでしょうか。3%以上の値上がり幅なのでは?と訝しがる方もいたはずです。
豆腐を1丁作るためには 電気、ガス、水道と多くの資源を使います。加えてパックやフィルム等の資材、にがり、揚げ油、機器の清掃に使う洗剤 などなど。 

昨今のインフラの基本料金の値上がりから始まり、円安の影響によるこれらの資材値上がり。さらには今年の国産大豆の急騰で、もはや豆腐屋さんの自助努力では到底まかないきれないところにあります。

当社では豆腐資材の販売もしておりますために、これらの原料や資材のメーカーからの値上がり通知の幅に驚かされ続けている次第で、お豆腐屋さんに提供するにあたり非常に心苦しいところです。

そんな背景のあるお豆腐。お店によっては値上げのタイミングを見計らっていたところも多いのです。
3~4月に入って急に価格が上がったという豆腐もあるかと思いますが、ほとんどが便乗値上げではなく1丁の品質を保つためのものだとご理解を賜りたいと思います。

おそらく他業種でもこういう背景の商品は多いかと思いますが、。今後ともご家庭の味を支えるお豆腐の方も是非ともよろしくお願いします。

消費税アップだけが向かい風なわけではないし、これからも押し寄せてくる波や障害物にどれだけのお豆腐屋さん、大豆屋さん、農家さんが耐えきれるのか。


"お豆腐屋さんって、なくなっちゃうんですか・・・・?”

に、

“やってられなくなるかもね。笑”
“このご時世、もういい加減、店をたたむ方が賢明だと思うよ。”

いろんな答えがでてきた。

私の頭の中には答えはなくて、誰の言っている事も正しいかどうかわからなかった。

みなさんと一緒にいるのは愉しい。

みんなみんな、豆が繋いでくれた縁で、だからより豆がないと生きていけなくなった。

たぶんというかおそらく“えこひいき”と言われるのも承知で言いますが(笑)、

私の目には、お調子者のあの豆腐屋さんも、寡黙なあの方も、
ドまじめなあの方も、自慢話が大好きなあの方も、
つるつるの肌のあの方も、水仕事で荒れた手を持つあの方も、


ひとりひとりが、輝いて見えているわけで、かっちょいい!と惹かれるものがある。



学校を休み、豆にのめり込んでいるのは、成り上がろうとしているからでもなく、
「豆腐業界の為に働いて偉いねぇ」なんて、言われたいがためでもないです。


私が“まめ女”どころか、“まめ婆”と呼ばれるようになっても、
豆で繋がるみなさんと、一緒に笑ってお酒を呑みたいなぁと思う。

(できたら自分で稼いだお金で威勢よく。)

そんなモチベーションがあるから、動きたくてたまらない。


4月は暗いニュースだけをつれてきたわけではなくて、
新しい、明るいスタートをきるチャンスもつれてきてくれていることを、
わすれちゃならないですね。

さあ今日も出かけよ〜。












おまけ。

3月は2週間ほど国外に出ていました。
異国にいてもお豆腐や豆のことしか考えられず、
ああこの世界のどこに出向いても豆との縁は切れないということなんだな、と思いました。そして素敵な出会いしかなかったです。
そんな私の気ままな旅行記はこちらのCompathyさんアップしてます。
(完成はまだほど遠いですが・・・)